みなさんに、「改修工事ってなんだと思いますか?」とお聞きすると・・・
「それは、悪いところを直す工事だろう!」と返ってきます。
確かにその通りです。ただ、ひと言付け加えさせていただくのであれば、単に外観が綺麗になったから、と安心してしまうのでは、あとあとお困りになるのは、オーナーさんご自身だと言うことです。
“改修工事”という言葉も、一昔前まであまり聞きなれない言葉でした。普段、一般的に使われる言葉として、“補修工事“という言葉を良く耳にします。これは、会社の経理上で言うなら経費として算入できる勘定科目(修繕費)です。では、”改修工事”とはなんなのか・・・。最近になって、ようやく銀行や保険会社、役所などでも、改修工事をしたからといって、固定資産の評価額を見直す動きが出てきました。要は、悪いところを直す工事が“補修工事“で、ご自身の資産の価値をアップさせるのが、”改修工事”なのです。
最近では、至る所で痛んだ建物に足場を組んでいるのをよく見かけます。しかし、これらの工事の全てが、本当に改修工事になっているのだろうか? またまた、改修工事と言う名目で工事が行われているのではないだろうか?ということが脳裏をよぎります。
実際に各方面の管理組合の理事長さま方々からの要請で、私自身、その建物を訪問していますと、数年前に改修工事を行ったのに、雨漏りがしている、塗装が膨れている、コンクリートが浮き上がって落ちそうになっている、等々いろんな問題に直面されていらっしゃる方々にお会いすることができます。これは、改修工事ではなく、ただの塗替え工事を行ってしまった結果だと思われます。
改修工事の最大の目的は、その建物をいかによく知り、向き合い、活かしてあげられるかといこうことに尽きます。
そのために重要なことは、その建物を形成している躯体コンクリートが、どのように劣化したかというプロセスから辿り、そのプロセスのもとになる原因を理解して、最も適した処置を行って、新築当初の状態に戻すということ、 さらにその原因を断ち切ったあと、見てくれも考えて塗装を行うわけですが、また同じような結果を生み出さないように、その建物のインターフェースに応じた材料を選定するということです。そのことを誠実におこなうことこそが、その建物の機能を充分に発揮させるということに繋がるものだと自負しております。
ひと昔前には、“スクラップアンドビルド”と言う言葉が流行りました。実際に当時は、「建物は古くなったら建て替える」という意識が強かったようです。現代、そのことも、長引く不況による設備投資の抑制、近年の改修技術力の向上を背景に、建物の長期延命へと主流を変えてきました。それに伴い、新築工事が激減したことや、新築工事単価の低下などにより、新築工事に携わってきた業者の人たちが、改修工事業界に参入してきました。
新築工事と改修工事では、工法や材料、考え方が根本的に異なります。恐ろしいことは、それに伴う価格のズレが生じることや、改修工事に対する知識の低い新築工事業者が、新築工事感覚で工事を行っていってしまうということです。
20数年前バブル時代、新築工事ラッシュで、いくつものビルやマンションが乱立しました。時代は流れ 現代、その建物が、その勢いにまかせた粗悪な工事の代償として現代社会の問題となり、クローズアップされ その結果として行政の指導により10年保証が義務づけられるようになりました。同じく現代、改修工事ラッシュとなった今、将来に向けて、同じく粗悪な工事の代償を、わたしたちが払わなくて済むように、ひとりひとりが工事の内容に敏感になり、実績のある専門業者を見極め、価値ある改修工事を進めていきたいものです。
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